第22話


64 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 21:33:26 ID:cKMXLK5I0

第22話

65 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 21:37:27 ID:cKMXLK5I0

美しい湖を水堀が守る、リムルダール。

その上空を、魔の軍勢が取り囲むように飛び交う。

( ・∀・)「おいおい・・・・・・なんだいアレ」

( ^ω^)「・・・・・・すごい数だお」

( ・∀・)「・・・・・・」

( ^ω^)「・・・・・・」

( ・∀・)「ま、やるしかないね」

( ^ω^)「だお」

( ・∀・)「君ね・・・・・・頼むから、俺の足を引っ張らないでくれたまえよ」

( ^ω^)「こっちのセリフだお」

67 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 21:39:00 ID:cKMXLK5I0

ブーンとモララーは、街の外壁から見上げる。

二人だけではない。

周囲には、リムルダール軍の兵士達が、ざんと武装し居並ぶ。

彼らは、緊張と不安入り交じる表情で、空を見上げていた。
士気を鼓舞する太鼓が、まるで祭りの様にドンドンと鳴らされている。

68 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 21:40:56 ID:cKMXLK5I0

( ^ω^)「しかし・・・」

依然、敵軍は滞空したままこちらの様子を伺っているようだった。

( ^ω^)「なぜ、すぐに攻めて来ないんだお?」

( ・∀・)「・・・・・・」

( ・∀・)「さあね」

( ^ω^)「奴らの目的は、急襲にあったんじゃないのかお?」

( ^ω^)「リムルダール軍は、敵に対する戦力的不安はともかくとして、
もう既に態勢を整えてしまったお」

( ^ω^)「こうなる前に、こちらの間隙をついて襲いかかって来るものとばかり思っていたお」

( ・∀・)「・・・・・・」

69 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 21:42:54 ID:cKMXLK5I0

( ^ω^)「いったい、どういうつもりなんだお・・・何故、姿を見せたのか・・・」

( ^ω^)「それに、こんな真昼間から攻めてくるなんて・・・」

( ・∀・)「フン、魔物の考える事なんて考えたって解るもんか」

( ・∀・)「俺達に出来る事は、攻めてきたあいつらを迎え撃つ事だけ。
それしかないんだからな」

( ^ω^)「・・・・・・」

兵士「ああ、神様・・・どうか、お助け・・・」

隣で、兵士が震えながら祈りを捧げている。

( ・∀・)「ふん。どいつもこいつも・・・」

( ・∀・)「この世界に神なんて・・・いやしないってのに」

( ^ω^)「・・・・・・」

70 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 21:44:37 ID:cKMXLK5I0

モララーは、腰もとの瓶の栓を開け、グビリと飲む。

( ・∀・)「ふっ・・・く・・・っと」

( ^ω^)「おい。酒は、ほどほどに止めとけお」

( ・∀・)「わかってるさ。酔いで剣がふらつく、なんて事はない」

一口だけ飲むと残りは剣にかけた。

濡れた剣先が、ギラリと光る。

( ・∀・)「俺の方が優れた戦士だってこと、証明してやっちゃうからな」

( ^ω^)「フヒヒ、冗談よせお。坊ちゃん剣士」

二人は、横目でちらと相手を一瞥し、
目が合うと、ばつが悪そうにふいっと空に視線をやった。

71 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 21:50:37 ID:cKMXLK5I0


(III::.T.I) 「・・・・・・」コー・・コー・・

甲冑の騎士が、鳥の魔物の背にのり、下界を見下ろしている。

72 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 21:53:47 ID:cKMXLK5I0


(III::.T.I)


(III::.T.I)

/∧
((III::.T.I)) 「!」 ザワッ

甲冑の騎士の脳内に、直接語りかける声がある。

川 ゚ -゚)【どうした、我が同胞よ】ザッ—-・・・

73 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 21:56:53 ID:cKMXLK5I0


(III::.T.I) 「ウグ・・・グー・・・」

川 ゚ -゚)【なぜ攻めぬ。目標の人間の巣は目前ではないか】


(III::.T.I) 「グ・・・ニン・・・ゲン・・・」

川 ゚ -゚)【そうだ。我らが宿敵、人間を滅ぼすのだ】


(III::.T.I) 「グが・・・オオ・・・・・・」


(III::.T.I) 「ニンゲン・・・敵・・・」

川 ゚ -゚)【そう、目の前の脆弱な生き物は敵。だから潰せ】


(III::.T.I) 「・・・オゴオ・・・」

74 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 21:58:27 ID:cKMXLK5I0

川 ゚ -゚)【貴様の活躍を竜王様も望んでおられるのだぞ】

川 ゚ -゚)【我らが“四天王”の名に恥じぬ功績を・・・】

川 ゚ -゚)【頼むぞ・・・“死神”よ――――――】ザザッ—-・・・


(III::.T.I) 「・・・・・・」コー・・コー・・


(III::.T.I) 「敵・・・潰ス・・・ニンゲン・・・ころす・・・」


(III::.T.I) 「全軍・・・襲撃・・・用意・・・」

( ゚∋゚)「!」ピクッ

75 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 21:59:50 ID:cKMXLK5I0

騎士を乗せた巨大な魔鳥獣(キメラ)が、
その声を聞くなり、甲高い声で鳴いた。

周囲の鳥の魔獣が、戦列を成してゆく。


(III::.T.I)


(III::.T.I) 「イけ・・・・・・」

( ゚∋゚)「~~~~~~ッッ!!」

一斉に、魔物が急降下してゆく。

76 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:02:26 ID:cKMXLK5I0

( ^ω^)「!!」

( ・∀・)「ついに、きたか」

上空の魔物が動き出した。

群れは、幾つかの塊に分かれ、飛んで来る

キメラ「ガアアアアアアッッ!!」

( ・∀・)「キメラか」

体は蛇の様で、それに翼と嘴(くちばし)。
異形の魔物が、次々に襲い来る。

77 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:03:32 ID:cKMXLK5I0

( ・∀・)《・・・ギラッ!》ドウッ

キメラ「グギャアッ・・・!?」ボンッ

火球を食らい、魔物がメラメラと炎を帯びて暴れ落ちていく。

( ^ω^)「おおっ。呪文かお!」

( ・∀・)「ほう。呪文の存在を知ってるとはね。見直したよ」

剣を振るいながら、二人は会話する。

78 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:05:39 ID:cKMXLK5I0

( ^ω^)「まあ、これでも伊達に各地をまわって旅してる訳じゃないからね」

キメラ「ギャアアアアアッッ」

村人「うわああああああああ!!?」

( ^ω^)「・・・ハァッ!」バヒュザシュッ!

キメラ「グゲッ・・・!」ゴトッ

村人「あ・・・ああ・・・ありがとうございます!」

( ^ω^)「戦えない人間は、早く安全なところへ急ぐお」

( ・∀・)(へえ・・・なかなかの剣捌きじゃないか)

( ・∀・)(俺と闘り合った時は、本調子じゃなかった・・・か)

79 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:07:39 ID:cKMXLK5I0

((♯^ω^)「はっ!ふっ!」シュバッ!ガキッ!

((♯・∀・)「しっ!せいっ!」ジャクッ!バウッ!

兵士1「お、おい、あいつら見ろよ。すげえ勢いで魔物を倒してるぜ!?
特にガタイの良い方は、ほとんど一撃だぞ・・・」

兵士2「ほ、本当だ・・・ 細身の方も、何かすごい術で応戦している・・・!?
あ、あいつらの側にいた方がいいかな・・・」

猛撃を振るうブーンとモララー。

調練を受けたリムルダールの兵士は、
他国と比べても高水準の戦闘力を持つと言われる。

その精鋭達と比較しても、戦場においてこの二人は、ひと際の異彩を放っていた。

80 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:10:02 ID:cKMXLK5I0

( ^ω^)

ブーンは、凄まじい剣撃を繰り出し、魔物を圧倒する。

( ・∀・)

モララーは、剣と呪文の双方を上手く使いこなし適切に敵を鎮圧する。

敵味方の屍骸が積もりゆくさなか――――――
いつしか、二人は背中を合わせるように、周りからの攻撃をいなしてゆく。

だが・・・

81 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:15:18 ID:cKMXLK5I0

( ;^ω^)「・・・・・・ハァッハァッ!」ドシュッ!

(;・∀・)「・・・ちっ!」ドウッ!ボシュッ

( ;^ω^)(数が――――――    )

(;・∀・)(    ――――――多い!!)

敵の猛攻は衰えない。

いくら切捨てても、次々に空から舞い降りてくるのだ。

無尽蔵に思える敵兵に対し、こちらの兵士は、どんどん傷つき倒れいく。
目に見えて少なくなっていくのが解る。

このままでは・・・

82 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:21:59 ID:cKMXLK5I0

(メ;^ω^)「ハァッ、ハァッ!」

(メ;・∀・)「ち・・・《ホイミ》・・・!」

兵士「戦闘できない民間人の方!
速やかに屋内、望ましくは地下などに避難してください!」

兵士「戦える男は、武器を常に携帯するように・・・」

村人「きゃあああああ!!」

村人「うわあああああああ!!」

ζ(゚ー゚*ζ「・・・・・・」

84 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:24:01 ID:cKMXLK5I0

ζ(゚ー゚*;ζ(・・・・・・)

ζ(゚ー゚*;ζ「モララー様!モララー様ぁー!」

自警団員「おい君!危険だから屋内へ・・・」

ζ(゚ー゚*;ζ(・・・・・・)

ζ(゚ー゚*;ζ(モララー様・・・いったい何処に・・・)

ζ(゚ー゚*;ζ

85 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:25:27 ID:cKMXLK5I0

ζ(゚ー゚*;ζ「あっ、あの」

自警団員「君、隠れろと・・・」

ζ(゚ー゚*;ζ「す、すいません。人を探してるんです。
細身で、緋色(ひいろ)の鎧を着ていて・・・」

自警団員「鎧・・・?戦闘に参加の者か?それならば、自警団兵士でない者は、
北門広場方面に配置されているはずだが・・・」

ζ(゚ー゚*;ζ「ありがとうございます!!」タッ

自警団員「あっ、おい君!?」

86 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:27:14 ID:cKMXLK5I0

(メ; ω )「グ・・・ふぅ・・・」

(メ; ∀ )「・・・・・・」

限界に達しようとしていた。

幾十匹の魔物を切り裂いたのか。
いや、十の桁ではきかぬかもしれぬ。

剣と体は、返り血と己の血で赤黒く染まる。

表情は虚ろで、呼気吸気は荒ぶるほかなし。
それでも剣を振るわねば、降り掛かる火の粉を払えはしない。

いや、火勢は増していき、じりじりと我が身を焦がしつつある。

87 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:29:01 ID:cKMXLK5I0

(メ;・∀・)「ああ・・・もうね。正直おいとましたいわ」ハァ

(メ;^ω^)「そうだおね・・・でも、ブーン達は敵側に完璧に目つけられてるおね」ハァ

(メ;・∀・)「そのようだな・・・」ハァ、ゼェ

(メ;^ω^)「少々・・・派手に暴れ過ぎたかお」ハァ、ハァ

(メ;・∀・)「ち・・・これだから・・・やめときゃ良かったかな」

(メ;^ω^)「おっおっ。骨は拾ってやるから、安心してぶっ倒れるといいお」

(メ;・∀・)「へへ――――――

88 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:31:31 ID:cKMXLK5I0

メイジキメラ「ギャアアアアアアアアアア」

(メ;・∀・)《――――――ぬかせよ》ドウンッ!

メイジキメラ「ハギャッ!!」バシュウッ

(メ;・∀・)(くそ・・・もう魔力も体力も限界に近い)

(メ;・∀・)(どう切り抜ける・・・)

(メ;^ω^)「・・・オオオオッッ!!」ビギュッ

(メ;^ω^)(・・・・・・血を流し過ぎたお・・・)

(メ;^ω^)(剣を握る力も・・・もう僅かか・・・)

89 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:32:50 ID:cKMXLK5I0

ー・・・様

・・・ラー・・・ 様!

(メ;・∀・)(ぐ・・・デレの声が聞こえる・・・幻聴か)

(メ;・∀・)(これは・・・いよいよマジでヤバいかな・・・)

「 ・・・ララー様!モララー様ぁー!!」

(メ;・∀・)「・・・えっ?」

ζ(゚ー゚*ζ「 モララー様!! 」

90 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:36:30 ID:cKMXLK5I0

(メ;・∀・)「で、デレ?!何故こんな所に・・・避難してなかったのか・・・!?」

ζ(゚ー゚*ζ「離れたモララー様の事がご心配で・・・いても立ってもいられませんでした」

ζ(゚ー゚*ζ「やはりモララー様は・・・民衆の為に剣をとっておられたのですね!!」

ζ(゚ー゚*ζ「す・・・素晴らしいです、モララー様!!」

(メ;・∀・)「おい、ここは危ない。すぐに避難するんだ!」

キメラ「カガアアアアアッッ」

(メ;^ω^)「・・・はっ・・・!!」ビシッ!

91 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:37:42 ID:cKMXLK5I0

(メ;^ω^)「モララーの言う通りだお。デレさん、ここは危険だお。
ブーン達から離れた方がい

!?

:((メii・∀・)): ゾッ

:((メ;゜ω゜)): ザワッ

瞬間、戦慄が走る。

いい知れぬ悪寒を感じた二人は、素早くその場から跳んだ。

そして、すぐさま背中と背中を向け合う。

92 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:40:10 ID:cKMXLK5I0

この強烈な気配は。 全身の毛が逆立つ様な感覚――――――
一瞬で口内は渇き、動悸が激しくなる。

一匹の魔物が上空からもの凄い速度で接近する。

それは轟音を立てて着陸。
石畳の地面を砕き、凄まじい砂埃が宙を舞う。

((メ;゜ω゜))

((メ;・∀・))

――――――圧倒的な存在感。

( ゚∋゚)

93 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:41:45 ID:cKMXLK5I0

(メ;・∀・)(なんだ・・・コイツ・・・ッ!?)

(メ;゜ω゜)(ッ・・・!)

ブーンとモララーは、瞬時に戦力差を感じ取る。

(メ;・∀・)(なんて巨大(デカ)さだ・・・ちくしょう、化け物め・・・!)

(メ;゜ω゜)(こ・・・ この鳥の魔物・・・強い・・・!
“あの時”のドラゴン・・・いや、それ以上・・・!?)

( ゚∋゚)

94 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:42:45 ID:cKMXLK5I0

仮にこちらの状態が負傷なく全快だったならば・・・
この二人が共闘すれば、おそらくは善戦するであろう。

(メ;・∀・)

(メ;^ω^)

しかし、二人手負いのこの状況に、戦士達の焦燥は動悸とともに募っていく。

目の前のキメラは、他のキメラの数倍大きい。

その巨躯で翼を羽ばたかせると、それだけでものすごい風圧が生じる。

95 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:44:26 ID:cKMXLK5I0

兵士「く、くそっ。う、うわああああああ!!」

(メ;・∀・)(!)

( ゚∋゚)「・・・・・・」ゴヒュッ!

兵士「しゃあ・・・ぱっ!?」パンッ

(メ;゜ω゜)「!!ッッ」

勇んで切り掛かった兵士に、一瞥もくれずに魔物の尾の攻撃が一閃する。

果実を壁に思い切り叩き付けたように、
兵士の頭蓋が軽い音と血しぶきを飛散し砕かれた。

96 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:46:14 ID:cKMXLK5I0

(メ;・∀・)「な・・・・・・」

(メ;^ω^)(み、みえなかったお・・・!)

( ゚∋゚)

鳥は、ギロリと二人をねめつけた。
そして、その姿が消えたかと思うと――――――

((メ;・∀-)「かっ・・・はがッ・・・!!」

ζ(゚ー゚*;ζ「モララー様ぁーーーー!!」

モララーに体当たりした。 数メートル吹っ飛び、
民家の建物に激突・・・そのまま壁ごと突き抜けた。

98 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:50:16 ID:cKMXLK5I0

((メ;゜ω゜)「モラ

ブーンの骨盤付近に、一撃。
単純な体当たりというには、あまりに強烈な威力をもつ。

衝撃に流され、叩き転がされた。
失血で感覚が麻痺しかけていた身体に、激痛が走る。

((メ; ω )「ヴッ・・・!」

吐血する。マズい。
血の味が、危険な状態の血の味な事を、感覚で理解する。

気がつけば兵士達は、ほとんど躯(むくろ)と化していた。
もはや目に見える周囲の生存している戦士は、ブーンとモララーの二人のみ。

頼れるものは、己の身一つしか無かった。

99 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:51:27 ID:cKMXLK5I0

((メ;-∀・)「ぐ  やろ・・・ぉ」

(メ;・∀・)《――――――ギラッ!!》

火球がキメラに放出される。
しかし、

(( ゚∋゚)「・・・・・・」バウッ!

鳥獣の羽ばたきで、かき消された。

((メ;・∀・)「・・・・・・」

100 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:52:55 ID:cKMXLK5I0

キメラは、飛んだ。上空に浮かび、加速していく。

困憊(こんぱい)状態のブーンとモララーには、それを目で追うので精一杯だ。
絶体絶命か――――――

(メ; ω )「ゼハッ、ゼハッ! ・・・く・・・」

((メ; ∀ )「・・・か・・・・さ・・・・」

モララーが集中を切り、よろけた。

ζ(゚ー゚*;ζ「ああっ!」

( ゚∋゚)+

101 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:53:48 ID:cKMXLK5I0

ドシュッ

((メ;-∀-)

((メ;-∀・)

((メ;・∀・)

モララーの体に、痛みが走る。

102 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:55:59 ID:cKMXLK5I0

(メ;・∀・ζ( ー *ζ∈゚ )

「・・・・・・え?」

自分に、まるで我が子を守るように覆いかぶさるデレ。

その柔らかな体を貫通し、魔物の大きな嘴はモララーの腹部まで到達していた。

(メ;・∀・)「デレ」

ζ( ー *ζ「・・・ララー様・・・」

(メ;゜ω゜)「・・・・・・!」

103 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:58:52 ID:cKMXLK5I0

( ゚∋゚)「・・・・・・」バサバサッ

嘴が引き抜かれる。そのまま魔物は、また宙へ飛ぶ。

デレの胴体から、噴水のように血液が溢れ出た。
内蔵がちぎられ、それが貫通した穴から垣間見える。

105 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 22:59:59 ID:cKMXLK5I0

(メ;・∀・)「デ・・・レ・・・」

(メ;・∀・)「デレェッ・・・!?」

(メ;・∀・)「何故だ・・・どうして!!・・・ガハッ!」

ζ( ー *ζ「モララー・・・様・・・お役・・・に・・・」

ζ( ー *ζ

(メ・∀・)

(メ; ω )

106 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 23:01:05 ID:cKMXLK5I0

そのとき、甲高い魔物の鳴き声が、一斉に響いた。

( ゚∋゚)「!?」

( ゚∋゚)「・・・・・・(チッ)」

(( ゚∋゚) バサッ

上空を旋回している魔物達が、一斉に引き上げていく。
あの巨体のキメラも、その流れに倣い、バサバサと飛び去っていった。

(メ;^ω^)(な・・・なんだお?魔物達が撤退していく・・・)

(メ;^ω^)(よく解らないけど・・・助かったのかお・・・?!)

(メ ^ω^)(ハッ・・・!)

107 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 23:02:03 ID:cKMXLK5I0

(メ ・∀・)ζ( ー *ζ

(^ω^メ)

109 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 23:03:12 ID:cKMXLK5I0

病院の戸が、勢いよく開かれる。

院内は、大量の怪我をおった患者であふれていた。

(メ;^ω^)「ショボン先生!!」

(´・ω・`)「! ブーンさん。生きていたか。
無事・・・とは言えないみたいだが、どうやら命はあったようだね」

ξ゚⊿゚)ξ「ブーン!!」

患者の介護を手伝っていたツンが、ブーンに駆け寄る。

110 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 23:04:04 ID:cKMXLK5I0

ξ;⊿;)ξ「生きてたのね! よかった・・・よかった!!」

(メ;^ω^)「おっ!ツンも無事でよかったお!
・・・それより先生、急患だお!重傷の患者がいるんだお」

(メ;・∀・)( ー *ζ「こいつだ・・・先生。頼む、急いで手当を・・・」

ζ( ー *ζハ・・・ハ・・・

(´・ω・`)(・・・・・・)

(´・ω・`)(これは危険だ)

(´・ω・`)(・・・かなり厳しい状態・・・というよりは・・・)

111 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 23:05:12 ID:cKMXLK5I0

(メ;・∀・)「先生・・・お願いします。どうか」

(´・ω・`)「腹部の損傷がひどいね。血も相当失っている」

(´・ω・`)「出来る限りの事はするが・・・彼女以外にも重傷の患者は山ほどいる」

(´・ω・`)「最悪の事態を、覚悟しておいてください」

(メ;・∀・)「・・・彼女を優先して診てくれ。
金なら出す。さもなくば・・・斬る・・・」

モララーは、剣の柄に震える手をかける。
周囲にどよめきが沸き起こった。

112 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 23:05:59 ID:cKMXLK5I0

(メ;゜ω゜)「モララー!止めるお!」

(´・ω・`)「・・・僕を斬って彼女が助かると思えるのならば、そうしたらいい。
それは僕には、確実に彼女を殺す方法にしか思えないがね」

(メ;・∀・)「く・・・・・・!!」

(´・ω・`)「生憎、暴力の脅しは通用しないよ。
そして・・・君自身もブーンさんも、ひどく傷ついているだろう」

(´・ω・`)「そこらで休んでいたまえ。その重傷の女性には、
医者としてできる範囲の最大限の努力を尽くす事は約束する」

(メ;・∀・)「・・・・・・」

113 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 23:07:32 ID:cKMXLK5I0

ζ( ー *ζ「モララー様・・・」

(メ;・∀・)「デレ。大丈夫だ。しばらくの辛抱だ」

(メ;・∀・)「・・・どうして・・・!どうしてあんなことを!」

ζ( ー *ζ「差し出・・・ましい真似を・・・して・・・ ・・・いません・・・」

(メ;・∀・)「いい、いい。しゃべるんじゃない」

(メ; ∀ )(神よ・・・いるなら答えてみろよ・・・)

(メ; ∀ )(デレはアンタに祈りを捧げたはずだ・・・  ならば、アンタもデレを祝福しろ・・・ッ)

ζ( ー *ζ「モララー様・・・これを・・・」

114 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 23:08:50 ID:cKMXLK5I0

デレは、細く白い手を差し出す。
その親指には・・・指輪がしてあった。

あのときの、指輪だ。

(メ;・∀・)「・・・・・・」

ζ( ー *ζ「わたし・・・いつ・・・でも・・・お側に・・・」

ζ( ー *ζ「お慕い・・・申し・・・て・・・おり・・・ます・・・」

ζ( ー *ζ「モララー・・・様・・・」

(メ ・∀・)

115 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 23:09:51 ID:cKMXLK5I0

117 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 23:11:22 ID:cKMXLK5I0

翌日、リムルダールの丘で、大規模な葬儀が執り行われた。

リムルダールにおいての葬礼は、火葬。
亡がらは灰になったあと、湖に散灰され、浄化される。

民が参列し、その遺体を清めた後、順々に焼べてゆく。

多くの者が、追悼の涙を流した。

今回の事件では、およそ千をゆうに超える命が奪われたのだ。

結果的に国として壊滅には至らなかったものの、
失ったものがあまりにも多過ぎた。大き過ぎた。

118 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 23:13:26 ID:cKMXLK5I0

また、これまで難攻不落の軍事防衛要素であった水堀を、
魔王軍に攻略されてしまった事件は、民の心に大きな影を落とす。

またいつか攻められたなら、その時こそは本当に――――――。

あまりの絶望に嘆き悲しみ、死んだ者の後を追う者までいたらしかった。

葬儀が進む中、その場所から遠く離れた場所にたたずむ教会に、
ひとりの剣士がいる。

傍らに神父が、棺桶の前に立ち、神への祈りの言葉を捧げていた。

(-_-)「神よ――――――祈り尽くせし魂が、貴方の側に参らん事を――――――」

119 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 23:14:55 ID:cKMXLK5I0

( ・∀・)

( ^ω^)「モララー・・・」

( ・∀・)「・・・・・きたのか。傷がまだ癒えてないだろう。
あまりウロウロしたら傷が開くぞ」

( ^ω^)「それはアンタも同じだお」

( ・∀・)

( ・∀・)「信徒は、葬式の前に死した体と魂で神に祈りを捧げるらしいな」

( ^ω^)「・・・デレさんは、信仰者だったのかお」

( ^ω^)「それで教会に――――――」

120 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 23:17:10 ID:cKMXLK5I0

教会の窓から、遠くに火葬の煙が舞い上がるのが見えた。

( ^ω^)「モララー・・・この世界に」

( ^ω^)「神はいたのかお?」

目を合わさず、ブーンが問う。

( ・∀・)「・・・いるさ。こんなにも身近にもね」

モララーは、棺桶の中の少女を見つめた。

( ・∀・)「この世界には、無慈悲な死神と――――――」

121 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 23:18:31 ID:cKMXLK5I0

( ・∀・)「こんなにも美しい、女神がいるじゃないか」

モララーは、優しげで色のない瞳を、棺桶の中の少女に向けて言う。

ブーンはそれを、いつものように気取った言い回しだと冷やかしはしない。

確かに、棺の中の彼女の顔は・・・・・・

女神のように清純で――――――神聖なあどけなさを称えて。

122 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 23:19:52 ID:cKMXLK5I0

( ・∀・)

( ^ω^)

ζ(-ー-*ζ

ステンドグラスから、僅かな光が差し込んで、

そこにいる人間の顔に、切なげに陰影をつくる。

静寂が、世界をモノクロにしてゆく。

教会に、神父の祈りの言葉だけが――――――残響する。

to be continued…!!

123 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 23:21:37 ID:cKMXLK5I0

( ^ω^)ブーンの今のステータス

LV21

はがねのつるぎ
はがねのよろい
てつのたて

( ・∀・)モララーの今のステータス

LV23

はがねのつるぎ
まほうのよろい
みかがみのたて
せんしのゆびわ

130 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/19(火) 23:34:21 ID:cKMXLK5I0

今回登場した敵

キメラ:鳥の魔物。体は蛇、それに翼と嘴(くちばし)を持つ。
空を移動するので非常に捉えにくい。

メイジキメラ:キメラの上位種。魔力を操る術をもっていて
敵を眠らせる魔法や、回復魔法なども使用する。

( ゚∋゚) (スターキメラ?):他の魔獣とは一線を画す巨体の魔物。
ブーンの直観では、洞穴のドラゴンよりも格上かもしれない。
魔軍の空撃隊のボス格だったようだ。

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