第31話


633 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:02:07 ID:RNfIQ3OE0

第31話

634 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:03:49 ID:RNfIQ3OE0

廃屋にも等しい佇まいの、古びれたあばら屋に、
ボロ布を纏う、老齢の男が独り。

寝床に伏して、具合の悪そうに咳きを込んでいる。

(゚、゚トソン「ゴホッ、ゴホン・・・ゲホッ」

(゚、゚トソン「ぐ・・・ふぅ」

635 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:05:21 ID:RNfIQ3OE0

寝台から起き、瓶から水を取り、飲む。
杯を持つ手を、ぶるぶると震わせながら。

(゚、゚トソン「ふぅ」

(゚、゚トソン「!」

屋外に、気配を感じる。扉の前に、何かがいる。この気配は・・・

(゚、゚トソン「・・・・・・」

老爺は、近くの杖を取り、身構える。

(゚、゚トソン「何者だ」

637 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:07:37 ID:RNfIQ3OE0

扉の方に声を投げると、反応が返った。

「すいません。失礼致します」

扉がゆっくり、ギィと音を立てて、開く。

(‘A`)

(‘A`)「お久しぶりです、トソン先生」

(゚、゚トソン「む・・・」

638 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:08:26 ID:RNfIQ3OE0

(゚、゚トソン「お、おお。おお」

(゚、゚トソン「これは・・・ドクオ様!」

(゚、゚トソン「生きて、おられたのですか」

老爺は驚き、嗄(しわが)れかけた声を荒げ、そして微笑した。
そして、辺りを見回すが、何も無い事に気付き、落胆する。

(゚、゚トソン「いや、お恥ずかしい格好で失礼致す。この家も、何もありませんで・・・」

(゚、゚トソン「大したもてなしの出来ぬ事・・・ご無礼をお許し下さい」

(‘A`)「とんでもない。こちらこそ急遽の来訪、申し訳ございません」

(‘A`)「こちら、心ばかりの物ですが・・・」

639 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:09:31 ID:RNfIQ3OE0

ドクオは荷物から、手土産を取り出した。
茶葉と、林檎の砂糖煮の瓶詰めだ。

(゚、゚トソン「ああ、これはこれは・・・高価なものを」

(゚、゚トソン「日頃、貧しい生活を送っている物ですから。
甘味なぞ、大変嬉しゅうございます」

(゚、゚トソン「有り難く頂戴致します・・・茶でも、入れましょうぞ」

トソンと呼ばれた翁は、フルフルと緩慢な動きで茶支度をしようとする。

640 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:10:26 ID:RNfIQ3OE0

(‘A`)「・・・先生、お体の具合が悪いのでは」

(‘A`)「私がやりましょう。先生は、寝台に掛けていて下さい」

(゚、゚トソン「ドクオ様・・・何から何まで、すいませぬ」

ドクオは、暖炉の火を取り、古び欠けた食器で、茶を入れた。

寝台の他に腰をかける物が無かったので、
外から座用の切り株を持ってくる。
小さな机に茶菓子を置いて、囲んだ。

茶を飲みながら、二人は話す。

641 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:12:00 ID:RNfIQ3OE0

(゚、゚トソン「もう、何年になりましょうな・・・」

(゚、゚トソン「私が宮廷魔術師から身を引いたのが、10年よりも前ですか・・・」

(‘A`)「あの頃は、本当に色々な事を先生から学びました」

(‘A`)「魔法学だけでなく、礼儀作法から何まで、多くの事を」

(‘A`)「私の人生で、数少ない尊敬と信頼のおける方です。
先生のおかげで、魔法学の上達も」

(゚、゚トソン「いやいや・・・ドクオ様の非凡な才能あったればこそ」

(゚、゚トソン「貴方はまるで真綿の様に、何もかもを吸収してゆきなすった」

(゚、゚トソン「貴方にお仕え出来た事が、私の生涯の誇りでございます」

トソンは茶を啜り、しみじみと感慨深く、頷いた。

642 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:13:08 ID:RNfIQ3OE0

(゚、゚トソン「しかし、まさかドクオ様が、ご存命とは・・・」

(゚、゚トソン「あの忌まわしい出来事の中、よくぞご無事で」

(‘A`)「ええ・・・」

(゚、゚トソン「他にも生還された方は・・・」

(‘A`)「いえ・・・少なくとも親族は、私だけでしょう」

(゚、゚トソン「・・・・・・そうですか・・・」

(゚、゚トソン「ゴホッ、コホ・・・」

643 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:14:54 ID:RNfIQ3OE0

(゚、゚トソン「もし、その場に私がいれば・・・」

(゚、゚トソン「いや・・・この老いぼれ一人いたところで、
どうにか出来たものでも在りませぬな」

(‘A`)「・・・・・・」

(゚、゚トソン「しかし、どうやって私がここにいる事を知ったのです?」

(゚、゚トソン「ここは、どの集落ともかけ離れた、孤絶の地・・・」

(゚、゚トソン「隠居生活も長い。他に私の居場所を知る者は、多くはないはずですが・・・」

644 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:15:47 ID:RNfIQ3OE0

(‘A`)「いえ・・・居所を知っていた訳ではありません」

(゚、゚トソン「はて」

(‘A`)「しかし、こうして先生に会いに来れた事で、確信が持てました」

(‘A`)「自分の研究の全ては、完成したと」

ドクオは茶の湯面に映る自分の顔を見つめる。

(゚、゚トソン「ドクオ様・・・もしや貴方は」

(゚、゚トソン「あの竜王に、挑む気なのでは・・・?」

(‘A`)

(‘A`)「恐らく、そうなります」

(゚、゚トソン「おお・・・なんと!」

645 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:16:41 ID:RNfIQ3OE0

トソンは開眼し、驚愕を露わに。
そして、涙ぐむ。

(゚、゚トソン「一族の仇の為に・・・」

(゚、゚トソン「まさか、ご自分の命を張らんとは・・・!」

(゚、゚トソン「それでこそ王族の一男児! ご立派になられましたな、ドクオ様!」

(‘A`)(・・・・・・)

646 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:17:30 ID:RNfIQ3OE0

(゚、゚トソン「通りで、感じる魔力の力強さが違うと思いました。
さぞ鍛錬なされた事でございましょう」

(゚、゚トソン「しかし・・・先ほどから気になっていたのですが」

(゚、゚トソン「言って良いものか。ドクオ様」

(゚、゚トソン「貴方から、魔の気配を感じます。よもや」

(゚、゚トソン「“魔の呪縛”に掛かっているのでは・・・」

(‘A`)「・・・・・・」

(゚、゚トソン「何と」

ドクオは、無言で自分の首もとを見せる。

648 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:18:40 ID:RNfIQ3OE0

(゚、゚トソン「私は呪いの専攻は門外漢でありますが・・・」

(゚、゚トソン「これは一目に見ても、恐ろしい呪力の封でございます」

(‘A`)「実は、この呪いを受けたのが、“あの日”なのです」

(゚、゚トソン「!」

(゚、゚トソン「・・・なるほど。つまり、運良く生還出来た訳でなく」

(゚、゚トソン「“呪いによって生かされた”――――――と・・・・・・?」

(‘A`)「ええ」

ドクオの首元が、ドクンと脈を打つ。

649 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:20:10 ID:RNfIQ3OE0

(‘A`)「あの日から数年、私は世界を周りました」

(‘A`)「この呪いを打ち破る事の出来る、“解呪師”を求めて」

(‘A`)「しかし・・・駄目でした」

(‘A`)「この圧倒的な呪力の前には、いかなる解呪師の力も及ばず」

(‘A`)「最後の頼みの綱で見つけた、最高峰と云われるラダトームの解呪師でも」

(‘A`)「この兇悪(きょうあく)を解くには、至らなかった・・・」

(゚、゚トソン「・・・・・・」

650 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:21:26 ID:RNfIQ3OE0

(゚、゚トソン「・・・なるほど。見えて参りました」

(゚、゚トソン「つまり、呪いを解くには、“その根源を絶つしかない”」

(゚、゚トソン「 “術者を倒し” 解呪を成そうという訳ですな」

(‘A`)(・・・・・・)

(‘A`)「・・・ええ」

(゚、゚トソン「そしてそれに影が付きまとうのが竜王・・・」

(゚、゚トソン「憎き仇敵を打ち破り義を成し、同時に己の呪いも解放する」

(゚、゚トソン「これが、貴方の行動の由縁という事でしょう」

(‘A`)「そうなります」

651 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:24:17 ID:RNfIQ3OE0

(゚、゚トソン「今は亡き王様も、草葉の陰でドクオ様の勇気を讃えている事でしょうぞ」

(゚、゚トソン「そういう事ならば、私にも何か出来る事があればと思いますが」

(゚、゚トソン「私は、老い過ぎた・・・・・・今のドクオ様に付いていっても、
この老骨では、足手まといにしかならないでしょうな」

(゚、゚トソン「何も出来ぬ自分が、悔やまれる・・・」

(‘A`)「先生、お気になさらず」

(‘A`)「先生のおかげで、今の私があるのです。
何も出来ぬ、という事はありません」

ドクオは、咳き込む老爺の肩を支える。

652 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:26:17 ID:RNfIQ3OE0

(‘A`)「それより、先生。ここでなく、別の場所に移住されては?」

(‘A`)「見たところ、先生は病も患っている様子。医者にかかる等して・・・」

(゚、゚トソン「いや・・・私はここで結構」

(‘A`)「しかし・・・」

(゚、゚トソン「自分の体の事は、自分が一番良く知っておる。どうせ老い先も短い。
どこかで死んで他人に迷惑をかけるよりは・・・」

(゚、゚トソン「ここでひっそりと、余生をまっとう致しまする」

(゚、゚トソン「それよりも、ドクオ様が悲願を成就なされますれば・・・」

(゚、゚トソン「再びまた、ここに会いにきて頂きとうございます」

(‘A`)「・・・解りました。生きて帰れた暁には」

(‘A`)「先生のもとへ。必ずご報告に参ります」

653 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:27:38 ID:RNfIQ3OE0

青年と老爺は、しばらく昔を語り合った。
そうして後に。

(‘A`)「そろそろ帰ります。宿のものが、心配するかもしれません」

(゚、゚トソン「おお・・・左様ですか」

(‘A`)「久方ぶりに先生のお顔を懐かしめて、有意義でした」

(゚、゚トソン「私も、ドクオ様にお会いできて、昔の血が戻ったようでございます」

(゚、゚トソン「帰路へは、どうして? メルキドでございますな。随分遠方のようですが」

(‘A`)「ええ、移動魔法呪文ルーラを使います」

(゚、゚トソン「そうですか。お気をつけて」

654 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:29:02 ID:RNfIQ3OE0

ドクオは、屋外へ。トソンも、それについてくる。

(゚、゚トソン「ドクオ様」

(‘A`)「はい」

(゚、゚トソン「ご武運を。そして・・・」

(゚、゚トソン「貴方の様な、立派な方を育てる事が出来た私は――――――」

(゚、゚トソン「誠に・・・・・・幸せでございます」

(‘A`)「先生・・・」

(‘A`)「有り難う御座います。では、先生もご達者で」

655 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:30:33 ID:RNfIQ3OE0

(‘A`)《――――――ルーラ》

ドクオは光につつまれ、メルキドの街へ向け
空へ飛翔して行った。

(゚、゚トソン「神よ・・・あの勇敢な若者に、どうか光ある加護を――――――」

656 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:31:59 ID:RNfIQ3OE0

657 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:32:51 ID:RNfIQ3OE0

ドクオは、メルキドの街中に居た。

遠いまなざしで、ふと見上げる。

当たり前のように、空虚な灰色の空が、そこにはあった。

悲しげに吹き付ける冷たい風が、枯れ葉砂塵を舞い散らしてゆく。

(‘A`)

ドクオは深い深い、溜め息をついた。
そうして、宿屋へと帰っていく。

658 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:33:48 ID:RNfIQ3OE0

(‘A`)「ただいま」

(*゚∀゚)「お師匠、おかえりなさい。今日は遅かったですね」

(*゚∀゚)「寒かったでしょ。暖炉の薪は多めにしてます」

(‘A`)「ああ」

(*゚∀゚)「洗濯物は、お部屋においてあります。ごはんは、もうすぐにたべますか?」

(‘A`)「うむ、頼む」

(*゚∀゚)「じゃあ、支度します。今日は、ななんとウサギの肉の鍋ですよ!」

(‘A`)「美味そうだな」

(*゚∀゚)「もちっと待っててくださいね」

(‘A`)「ああ」

659 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:34:40 ID:RNfIQ3OE0

ドクオは、ギシギシとなる階段を上がり、自分の部屋に入る。

ドッと寝床に倒れた、
虚ろな表情で、天井を見つめる。

体が、重い気がする。

そっと、目を閉じた。

660 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:35:49 ID:RNfIQ3OE0

お前の・・・名は・・・?

・・・・・・クオ・・・

ドクン

661 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:36:42 ID:RNfIQ3OE0

そう・・・・・・  ドクオ・・・・・・   いつか・・・   私を・・・・・・  ・・・に来い・・・

・・・・・・また・・・ いつか・・・・・・

ドクン      ドクン

・・・まえに・・・  私との・・・ ・・・を与える・・・・・・・

(((((川 - )))))))  「   ドクオ・・・  わたしを・・・   」

ドクン

663 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:37:57 ID:RNfIQ3OE0

(‘A )

(‘A`)

ドクオは、首もとに手を伸ばす。

首に絡み付いたそれが、脈を打っている。

いつもよりも、脈動を早めて。

(‘A`)

(‘A`)

(‘A`)

664 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:38:38 ID:RNfIQ3OE0

しばらくすると、部屋にいい香りが漂ってきた。
つーの支度している、夕餉(ゆうげ)の香りだろう。

先ほどまではそれほどでも無かったが、
こうして香ばしさをあおると、腹も空いてくる気がする。

芳香につられ、下階に降りてゆく。

(‘A`)「いい匂いだな」

(*゚∀゚)「お師匠。今できるから、すわってまっててください」

(*゚∀゚)「おかあさんも呼んできます」

665 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:39:44 ID:RNfIQ3OE0

そうして支度が整うと、三人で卓を囲んだ。

兎と玉葱のスープに、小さな黒パンが付く。
熱々の皿からは、湯気と瑞々しい香りが。

牧畜でない野生の動物のスープは
旨味で口内がギュウッとなるような、野趣に富んだ力強い味わいである。

それに、感じるか感じないか程度に含まされた辛みは、
タマネギの甘みと相性も良く、食欲を増進させる。

肉にスプーンを通すと、抵抗無く、ほっくりと崩れた。
それでいてスープには、臭みも感じない。
丁寧に長時間煮込まれた賜物だろう。

666 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:40:45 ID:RNfIQ3OE0

(#゚;;-゚)「美味しいわ・・・いいお味ね。このウサギは?」

(*゚∀゚)「裏山のウサギ罠に久々にかかってたの。煮込んだから柔らかいよ!」

(*゚∀゚)「お師匠、どう、どう」

(‘A`)「うまい。それに、温まる」 ズズ・・

(*゚∀゚)「でしょでしょ!少しだけ、唐辛子も入れてあるからね」

(‘A`)「ふぅ・・・ズズ・・・」

667 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:41:28 ID:RNfIQ3OE0

ドクオは、初めてブーンに出会った時の事を思い出した。

あの時も、共に獣をとってウサギの鍋をつついた筈だ。
唯一友と呼べる男のとの邂逅を振り返る。

今ブーンは、何処を彷徨う。
竜王へのもとへ到達する方法を見つけたと言っていたが、
まだ辿り着いてはいないだろう。

(‘A`)(未だ張りつめる空の陰りが、その証拠)

(‘A`)(奴が竜王を倒せば、暗雲も晴れるはずだ)

669 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:42:46 ID:RNfIQ3OE0

もしくは、ブーンは意志半ばで果ててしまった可能性もあり得た。
しかし、ドクオはそれを考えないようにする。
考えても、仕方ないからだ。

あいつはまだ、生きている。絶対に。そう信じていた。

(‘A`)「ごちそうさま」

(*゚∀゚)「もういいの。まだありますよ」

(‘A`)「後でもう一度食べたいから、少し残しておいてくれないか」

(*゚∀゚)「はい」

(‘A`)「ちょっと、表に出て来る」

670 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:44:02 ID:RNfIQ3OE0

ドクオは宿の外に出る。

さっき食べた鍋のおかげで、体の内側から温かい。
冷たい気温の中、白く熱い息を手に吐きかける。

(‘A`)

(‘A`)「・・・・・・」

(*゚∀゚)「お師匠」

つーも、外に出てきた。

671 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:45:02 ID:RNfIQ3OE0

(‘A`)「どうした?寒いから中に入ったらどうだ」

(*゚∀゚)「だいじょうぶです」

(*゚∀゚)

(*゚∀゚)「お師匠のけんきゅう・・・完成したんですね」

(‘A`)

(*゚∀゚)

672 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:46:16 ID:RNfIQ3OE0

(‘A`)「顔には出さないようにしてみたのにな」

(‘A`)「どうしてわかった?」

(*゚∀゚)「なんと、なく・・・」

(*゚∀゚)「お師匠の魔力が、いつもとちがって感じた・・・」

(‘A`)

(‘A`)「いい勘だ」

二人は目を合わさず並んで、虚空の夜空を眺める。

674 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:47:08 ID:RNfIQ3OE0

(*゚∀゚)「いっちゃうんですね・・・お師匠」

(*゚∀゚)「ブーンさんと、同じように・・・」

(‘A`)

(‘A`)「ああ」

(*゚∀゚)「・・・・・・」

(‘A`)「といっても、すぐに発つ訳じゃない。いろいろと支度もあるし」

(‘A`)「確かに魔法に関する事柄の目処はついたが、
俺自身の体力づくりなんかもしなければならないからな」

(‘A`)「長い宿屋生活で、なまってしまったかもしれない。
冒険というのは、過酷なものだ。生半可で挑む事は出来ない」

(*゚∀゚)「・・・・・・」

675 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:48:34 ID:RNfIQ3OE0

(*゚∀゚)「ぼ・・・ぼくは・・・」

(*゚∀゚)「宿屋の子です」

(‘A`)

(*゚∀゚)「ぼくみたいなのが、魔法を習うなんて変かもしれない・・・」

(*゚∀゚)「そ、それでも。何か変われるかもって、おもって。魔法おしえてもらって」

(‘A`)「つー。何言ってるかよくわからんぞ」

(*゚∀゚)「うっ、うっ」

676 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:49:43 ID:RNfIQ3OE0

(*゚∀゚)「・・・今までずっとひとりぼっちでした」

(*゚∀゚)「でも・・・お師匠に魔法をおしえてもらって・・・いろいろ少しずつ変わった・・・」

(*゚∀゚)「今では、お友達もいるんです。魔法を見せたら、すごいって」

(*゚∀゚)「買い物にいくときも・・・今までみたいに馬鹿にされない。
みんな、声、かけて、くれるようになって」

(‘A`)

677 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:51:57 ID:RNfIQ3OE0

(*゚∀゚)「こんな僕にいろいろ、いろいろおしえてくれて・・・」

(*゚∀゚)「・・・うれしかった」

(* ∀ )「でも・・・まだまだ、習ってない事、いっぱい、あ、あり、ます」

(* ∀ )「まだ・・・おししょう、と――――――」

(*;∀;)「 お、おし、しょうと・・・ はっ、はなれ、たくないんだぁ・・・! 」

(‘A`)

679 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:53:47 ID:RNfIQ3OE0

つーの瞳から、涙が溢れる。

ぐしぐしと、小さな袖でそれを拭う。

(*;∀;)「ふ、ふえぇ。あぐっ、んぐ」

(‘A`)

(*;∀;)「ふっ、ふっ。 ふぃぐっ。えぐぅっ」

(‘A`)

ドクオは、つーの頭を撫でる。

つーの短髪が、サクサクと手に触れる。

680 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:55:25 ID:RNfIQ3OE0

(‘A`)「つー」

(‘A`)「俺も、ずっと孤独だった」

(*;∀;)

(‘A`)「ずっと独りで生きてきた。これからも、そうなるだろうと思っていた」

(‘A`)「呪いのせいで旅の中で疎まれ、冷たくあしらわれ・・・」

(‘A`)「他人の冷たさというものを、身にしみてきた」

(‘A`)「人と折り合いながら生きていくのも、面倒だとな」

(*っ∀;)

(‘A`)「だが俺も、お前やブーンに会って、少し変わったかもしれないな」

(*゚∀゚)

681 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:57:03 ID:RNfIQ3OE0

(‘A`)(・・・・・・)

(゚、゚トソン『貴方の様な、立派な方を育て上げる事が出来た私は――――――』

(゚、゚トソン『誠に・・・・・・幸せでございます』

(‘A`)「もし俺が全てを成し終えたとき」

(‘A`)「生きていれば・・・ここに帰って来よう」

(‘A`)「お前という才能の原石を磨いて、一生を終えるのも・・・そう悪くはない」

(*;∀;)「お師匠・・・」

682 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 21:58:35 ID:RNfIQ3OE0

(*っ∀;)

(*゚∀゚)「お、お師匠」

(*゚∀゚)「ぼ・・・あ、わ、たしは・・・」

(‘A`)「ん?」

(*゚∀゚)「・・・・・・」

(*゚∀゚)「なんでもないです」

(‘A`)「?」

(*゚∀゚)「お師匠様・・・ぜったい」

684 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 22:00:55 ID:RNfIQ3OE0

(*゚∀゚)「またここに・・・帰ってきてくださいね」

(‘A`)「――――――ああ」

二人は隣り合い、ただ闇を見つめている。

それ以上、言葉は交わさなかった。

きっと今、悲しみだけを置き去りにする事は出来ないのだろう。

冷たい風が、少女の涙を乾かしてゆく。

685 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 22:02:47 ID:RNfIQ3OE0

この――――――今は何も無い空に、願う。

(*゚∀゚)     (‘A`)

再会を祈りながら。 二人の胸に生まれる、微かで、確かな温もりを。

――――――人は、絆と呼ぶのだろう。

to be continued…!!

686 名前:名も無きAAのようです:2011/11/17(木) 22:05:14 ID:RNfIQ3OE0

(‘A`)ドクオの今のステータス

LV24

こんぼう
くろのろーぶ
しのくびかざり

今回登場した敵:なし

 

 

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