- 565 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:05:40 ID:5YlGSxwM0
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第30話
- 566 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:07:44 ID:5YlGSxwM0
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( ^ω^)「・・・・・・」
「・・・・・・」(・∀・ )
(♯^ω^)「・・・・・・ハァッッ!!」 シュザッ!!
(♯・∀・)「おおおッッ・・・!!」 ギィンッ!!
両者の持つ木刀が、激しい音を立てて、合を刻む。
- 567 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:09:02 ID:5YlGSxwM0
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( ^ω^)「モララー・・・お前に・・・負ける訳には行かないお・・・!」
( ・∀・)「フッ・・・一度俺に土をつけられている事を忘れたか」
( ^ω^)「あの時は本気じゃなかったおッ!!」 ギュリッ!
( ・∀・)「いや、俺も本気じゃ無かったけどね・・・!」 カギッ!
その様子を、離れて見ている老人。
瓜゚∀゚)「ふむ・・・」
それは前日、づーの家にて_――――――。
- 568 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:11:06 ID:5YlGSxwM0
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( ;^ω^)『お、おまえは・・・!』
( ;^ω^)『モララー・・・・・・!!』
( ・∀・)『やあ。しばらく』
( ;^ω^)『なんで、お前が、ここに・・・』
- 570 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:14:10 ID:5YlGSxwM0
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( ・∀・)『いやね、君の持っている、その“虹のしずく”・・・』
( ・∀・)『この俺に、預けてもらおうと思ってね』
( ;゜ω゜)『な、なんだとお?!』
( ・∀・)『そのアイテムは、竜王の島へ渡る為の必須アイテム・・・』
( ・∀・)+ 『それならば、実力のある人間に渡した方が為だと思うけどね』キラン
( ;^ω^)『な・・・・・・』
- 571 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:15:43 ID:5YlGSxwM0
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瓜゚∀゚)『モララーは、つい先日から、ワシのところにきておった』
瓜゚∀゚)『あの竜王の島へ渡る方法は無いかとね。
君と同じ様に訪ねてきたんじゃよ』 ズズ…( ;^ω^)『お・・・・・・』
づーは、茶をすすりながら横から説明を加えた。
- 572 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:16:31 ID:5YlGSxwM0
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( ^ω^)『お前も・・・あの島に渡る気なのかお?』
( ・∀・)『・・・・・・』
( ^ω^)『それがどういう事なのか、解ってるのかお?』
( ^ω^)『あそこに行くってことは、つまり竜王と対峙するって事だお』
( ^ω^)『お前は確か、そんな“馬鹿な真似”はしない筈じゃ無かったのかお・・・?』
( ・∀・)『・・・気の変わる事もあるさ』
( ^ω^)『・・・・・・』
- 573 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:18:55 ID:5YlGSxwM0
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( ^ω^)『でも・・・竜王討伐には、人は少しでも多いに越した事は無いお』
( ^ω^)『それなら、一緒にあの島へ・・・』
( ・∀・)『いや・・・』
瓜゚∀゚)『それは無理じゃ』
( ;^ω^)『えっ?』
瓜゚∀゚)『虹のしずくで作られる虹の橋は、それを使用し橋を架けたものしか許容せぬ』
瓜゚∀゚)『それを複数の人間で渡る事は不可能なのじゃ』
瓜゚∀゚)『もしそれが可能なら、いかに勇者モナーとて、
最終戦を単身で乗り込みはしなかったろう』( ^ω^)『お・・・』
- 574 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:20:40 ID:5YlGSxwM0
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( ・∀・)『そう。だから、向かう人間は厳選しなければならない』
( ・∀・)+ 『俺と君とじゃ、俺の方が強い。だから俺にそいつを渡して、
後はこの容姿端麗、天下無敵のモララー様に任せる事だ』 キラリ(( ;゜ω゜)) 『ぐおおお!相変わらず勝手でキザで嫌みな奴だお!』 ワナワナ
( ;゜ω゜)『ブーンがこれまでどれだけ苦労して、アレを手に入れたか解ってるのかお!?』
( ・∀・)『関係ないね。優れた者の方が、道を切り開くものさ』
- 575 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:22:50 ID:5YlGSxwM0
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( ;^ω^)『づーさん!づーさんも何か言ってやって下さいお!』
瓜゚∀゚)『ふむ・・・』
瓜゚∀゚)『魔島にゆけるのは只一人・・・。
ならば、少しでも実力のある者が行くというのは、確かに道理じゃ』( ;゜ω゜)『そんな・・・づーさんまで!』
( ・∀・)『フフフ』
瓜゚∀゚)『じゃが、そう決めたものでもないわい』
瓜゚∀゚)『単純にどちらの力の方が勝っているかは、解らんのう』
( ・∀・)『む・・・』
( ^ω^)『・・・・・・』
- 576 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:24:45 ID:5YlGSxwM0
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瓜゚∀゚)『ううむ』
瓜゚∀゚)『・・・あいやわかった。こうしよう』
瓜゚∀゚)『二人とも・・・凌ぎを削り合い、己の全力をもってして立ち会うのじゃ!』
( ^ω^) 『 !! 』 (・∀・ )
瓜゚∀゚)『立ち会い人は、わしが務めよう』
瓜゚∀゚)『その勝負に勝利した者が、魔島へいく権利を得る。・・・それでどうじゃ?』
- 577 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:29:14 ID:5YlGSxwM0
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( ・∀・)『ほう・・・なるほどね』
( ^ω^)『・・・・・・』
( ・∀・)『おもしろいじゃないか。そうでもしなければ、おさまりもつくまい』
( ・∀・)『ここは一つ、ご隠居の意見をきくのでどうかな?』
( ^ω^)『・・・お』
ブーンは、今一度モララーを見る。
軽口は依然そのままだが、放つ空気が違う。
- 578 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:33:36 ID:5YlGSxwM0
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以前は、戦士としては華奢な方だった。
それが今では、一回り程大きい気もする。以前のモララーにはない、体中の肌についた細かい傷は、
恐らく魔物との戦闘でついたものだ。それも、凄まじい数の戦闘をこなさなければ、これ程にはならぬ。
何よりも、隙の無さが今までとは、違った。
昼夜気を削り、常に臨戦の時の中。
あくなき冒険の不断によって鍛え上げられた、そういう強さだ。数多の試練を超え、同じように冒険の中で磨かれてきたブーンだからこそ、
モララーの成長もまた感じ取れるのだった。( ^ω^)(・・・・・・)
- 579 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:35:30 ID:5YlGSxwM0
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モララーが何故、ここまで己を磨き上げたのか。
何が彼の人生観を変え、巨悪に挑ませようとしているのか。( ・∀・)
その理由が、何となくブーンには解る気がした。
だが、それでも。
( ^ω^)
自分とて、ここで降りる訳にはいかない。
必ずや竜王を討つという人々との誓いが、ここまで自分を奮い立たせてきたのだ。
譲る理由など、何処にも無い。
両雄ここに並び立たず。 ならば。 - 580 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:37:33 ID:5YlGSxwM0
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( ^ω^)『・・・・・・望むところだお。いつかお前とは、
決着をつけたいと思っていたところだお!』( ^ω^)『その勝負、受けてたつお!』
( ・∀・)『よくいったね。その勇気だけは買うよ』
瓜゚∀゚)『うむ、異論は無いようじゃな』
瓜゚∀゚)『では、立ち会いは明日(みょうにち)としよう。
今晩は、ワシの家でゆっくりと休み、備えるが良い』( ・∀・)『クク。やあ、明日が楽しみだね』
( ^ω^)『ブーンの真の実力を見せてやるお』
( ・∀・)+ 『完膚なきまでに、叩きのめしてあげよう、美麗にね』 キラキラ
( ^ω^)『そいつぁ、こっちの台詞だお!』
- 581 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:38:27 ID:5YlGSxwM0
- 582 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:39:54 ID:5YlGSxwM0
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((♯・∀・)「ハァッ・・・!!」 ビヒュッ!
(♯^ω^))「フンっ・・・・・・!!」 バシッ!
三( ・∀・))「・・・しっ・・・!」 ヒュヒュンッ!
(( ;゜ω゜)「おっ・・・おおッッ!?」 ビシッ!
( ・∀・)《・・・・・・ギラッ!!》ボウッ!!
( ;゜ω゜)))「うわおっ・・・!」サッ!
モララーの手から、閃光の炎熱が走る。
- 583 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:41:19 ID:5YlGSxwM0
-
( ;^ω^)「そ、それ反則だお!魔法は無しじゃないのかお!」
( ;^ω^)「真剣封印で立ち会いしてるのに・・・」
( ・∀・)「フフフ。自分の持てる武器は、最大限活用するのが戦士たるものさ」
( ・∀・)《竜王が火を噴かない保証なんて無いぜ》 シュバー
(♯;゜ω゜)))「くおおおああ」
瓜゚∀゚)「うむ」
瓜゚∀゚)「しかしあの二人、やはり相当の手練だったようだな・・・」
瓜゚∀゚)「何が起こっとるのか。ワシには全然見えんわ」
- 584 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:47:52 ID:5YlGSxwM0
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( ・∀・)「それに・・・木剣だからといって油断していると、命を落としかねないぞ」
( ・∀・)「はっきり言って、この闘いのレベルは非常に高い」
( ・∀・)「それなりに拮抗しているのも癪だがね。だが・・・」
(( ・∀・)「俺が、勝つ。絶対に」バウッ!
(♯^ω^))「くおおお・・・ッッ!」
((♯^ω^)「おおおおッッ・・・!!」 ザヒュッ!
( ;・∀・))「ち・・・」サッ!
(♯・∀・)《・・・ギラ・・・!
(♯^ω^)「させないお!」
- 585 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:48:44 ID:5YlGSxwM0
-
ブーンは、すかさず間合いを詰め、モララーの懐に飛び込む。
魔力が収束しつつある相手の腕を、押さえつけ、体当たりを喰らわせた。
二人とも、束なったまま身ごと転がる。((メ;-∀・)));. 「グハ・・・・・・っ!?」 ダァン!!
,;(メ ^ω^)「フッ・・・!」 ピタ・・
瓜゚∀゚)「 それまで!! 」
(メ;・∀・)「う・・・・・・」
(メ ^ω^)
- 586 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:49:40 ID:5YlGSxwM0
-
瓜゚∀゚)「ふむ。どうやら、勝負あったようじゃな」
二人は、地に伏す。
しかし、ブーンがモララーの上に乗り、剣を突きつけていた。
木刀が、モララーの首筋に添え当てられる。(メ;・∀・)「グ・・・」
(メ ^ω^)「これで、ブーンの勝ちだお」
ブーンは、起き上がり、体の土を払う。
- 587 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:50:40 ID:5YlGSxwM0
-
(*^ω^)「やっぱり、ブーンの方が強かったお!やったお!」
(メ; ∀ )「・・・・・・レ・・・くそ・・・」
モララーはしばらくその場で倒れていたが、
やがて起き、同じく土を払う。( ∀ )「・・・ふー・・・・・・」
( ∀ )
- 588 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:51:55 ID:5YlGSxwM0
-
( ・∀・)「・・・仕方ない。負けは負けだ」
( ・∀・)「悔しいが、認めよう・・・」
( ^ω^)「おっおっ」
( ^ω^)「あのモララーが素直に負けを認めたお。こりゃ明日は晴れるお」
( ・∀・)「やかましい。俺は潔くないのは、美徳としないんでね」
( ・∀・)
( ・∀・)「しかしな・・・この俺程度にここまで手こずるようで、竜王に勝てると思うかい?」
( ・∀・)「おそらく奴は、俺なんかの比じゃないくらい強い筈だ」
( ^ω^)「む・・・」
- 589 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:53:47 ID:5YlGSxwM0
-
( ・∀・)「君は瞬発力や腕力はあるが、剣の技量に限っては、まだ俺の方が上と見た」
( ・∀・)「まだまだ、研鑽の余地がある」
( ^ω^)「・・・・・・」
( ・∀・)「少なくとも、今の俺と同じレベルにまで、剣を磨いてから挑むんだ」
( ・∀・)「君は世界の存亡を賭けた、いわば人類代表」
( ・∀・)「少しの妥協も許してはいけない。・・・そうだろう?」
( ^ω^)「お・・・」
- 590 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:57:05 ID:5YlGSxwM0
-
( ・∀・)「 “次に月が満ちるまで”――――――だ」
( ・∀・)「それだけ、この地で修行をするんだ」
( ・∀・)「この地方の魔物は、幸いかどうか、比類してもかなり強い」
( ・∀・)「鍛錬の場としては、いいだろう」
( ^ω^)「・・・・・・」
( ・∀・)「焦って気が逸り、心身ともに万全でないまま敵に挑むのが、一番怖い事だ」
( ・∀・)「俺の代わりに行く訳だ。これくらいの事は聞いてもらうからな」
( ^ω^)「・・・」
( ^ω^)「わかったお」
( ・∀・)「よし」
- 591 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 21:58:08 ID:5YlGSxwM0
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モララーは、自分の荷物などを背負い始める。
( ^ω^)「どこへ行くお?」
( ・∀・)「こっちの勝手さ。負けた相手におめおめ姿を晒し続けられる程、
矮小なプライドを持ち合わせてる訳じゃないんでね」( ・∀・)「それに、いつまでもこんな陰気なところに居たら、どうにかなってしまう」
瓜゚∀゚)「陰気とはまた言葉じゃな」
- 592 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 22:02:02 ID:5YlGSxwM0
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( ^ω^)「・・・剣の修行に付き合ってくれてもいいんじゃないかお?
あんだけ言っといて、自分はじゃあオサラバかお」( ・∀・)「フン・・・ここまできて対人の剣の理合などいくら学んでも意味が無い」
( ・∀・)「対魔物で鍛える方がまだ効率的さ」
( ^ω^)「・・・まあね」
モララーは、まるで急くように、手早く身支度をする。
それが終わると、溜め息をついた。そして、ブーンに目もくれないまま、
言葉だけを投げかけた。 - 593 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 22:03:05 ID:5YlGSxwM0
-
( ・∀・)「俺は、もう出る。アディオス」
( ^ω^)「モララー・・・デレさんの無念も、ブーンが果たしてくるお。必ず」
( ・∀・)「・・・・・・フ。そう気負うな。余計な事は考えるなよ」
( ・∀・)「とにかく、お前に全てが、かかってるんだ」
( ・∀・)「返り討ちになんて無様な事にはならないようにしてくれよ」
( ^ω^)「わかってるお」
- 594 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 22:04:37 ID:5YlGSxwM0
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( ・∀・)「それじゃあな」
( ・∀・)「いいな・・・“満月の日まで”・・・だ。 必ずだぞ・・・守れよ」
モララーは、足早にづーの家を発っていく。
( ^ω^)「最後まで、あっさりマイペースな野郎だったお」
瓜゚∀゚)「いや・・・最後ではなかろう」
瓜゚∀゚)「またいずれ、会う事もあろう。そうじゃろうて?」
- 595 名前:名も無きAAのようです:2011/11/14(月) 22:09:22 ID:5YlGSxwM0
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( ^ω^)「・・・そうですおね」
自分は“意志を継ぐ者”だ。
モララーだけではない、全ての人々の。
怒り。悲しみ。期待。矜持。
何もかもを、受け継いで。
今、己だけが、挑む事を許された。
孤高…
魔法剣士…
テリー…
うっ頭が…